長い築年数が経った家を新しくしたいと思いインターネットを調べていると、リフォームやリノベーションといった言葉が目に入るはずです。しかし、リフォームやリノベーションの違いはわかりにくいので、どの方法を選べば良いのか迷ってしまいます。
そこで今回は、リフォームを行うメリットやデメリット、リノベーションとの違いに加え建て替えとの違いもご紹介します。
リフォームとは
リフォームとは、古くなった建物を新築同様まで戻すことです。
例えば、剥がれたフローリングを張り替えたり、外壁の塗装を塗り替えたりすることが該当します。
工事自体は、比較的小規模であることが多く、新しいものを付け足すよりも、元の状態に戻すために行われることが一般的です。
リフォームをする際の注意点
リフォームをする際に意識したい注意点は以下の3つです。
- 事前準備は徹底的に行う
- リフォーム業者は慎重に選ぶ
- 契約書類は隅々まで読む
リフォームを行う際、事前準備は徹底的に行なってください。
例を挙げると、家族での会議、ショールームへの訪問、予算の設定、間取りの決定などです。怠ってしまうと、希望していない結果になったり、予算が想像以上に必要になったりします。
また、リフォーム業者は慎重に選ぶようにしてください。安いからという理由だけで選んでしまったことが原因で、粗悪な工事をされた事例もあります。
複数の業者から見積もりを出してもらい、契約書も認識とのズレがないようにしっかりと読み込むようにしてください。
リフォームの費用
リフォームは設備ごとに行うことが多いので、リフォーム全体の費用相場は断定できません。
そのため、各設備のリフォーム費用の相場を以下にまとめています。
設備 | 費用相場 |
トイレ | 30万円程度 |
キッチン | 50万~150万円程度 |
洗面所 | 30万円程度 |
風呂場 | 50万~100万円程度 |
屋根 | 50万~150万円程度 |
外壁 | 1万~2万円程度 |
リビング | 50万~300万円程度 |
外構 | 50万~100万円程度 |
上記はあくまでも目安です。リフォーム内容を高品質にしたり、広範囲のリフォームをしたりする場合は、さらに費用がかかるので留意してください。
リフォームの3つのメリット
リフォームを行うメリットは以下の3つです。
- リノベーションよりも安い傾向にある
- 仮住まいが不要
- 元の家の雰囲気を維持できる
リノベーションよりも安い傾向にある
リフォームはリノベーションや建て替えと比べて費用が安い傾向にあります。なぜなら、リフォームでの工事は小規模だからです。
リノベーションだと、新しい機能を付け加えたり、間取りを大幅に変更したりと工事が大規模になる傾向にあります。一方、リフォームは床を張り替えたり、トイレを付け替えたりするといった工事なので、比較的小規模です。
したがって、工事費用も安くなります。
仮住まいが不要
リフォームでは、仮住まいを必要としないのも1つのメリットです。
理由としては、小規模な工事になるので、家の全てが作業区域ではなかったり、工事期間が短かったりするからです。リノベーションの場合、工事期間は家の全てが作業区域になったり、工事期間も長かったりするので、仮住まいを用意する必要があります。
仮住まいを用意するには、仮住まいの賃料や引越しのための費用が必要です。
とはいえ寝室のリフォームなど、場合によってはリフォームでも仮住まいを用意しなければならないこともあります。しかし、工事期間が短いので賃料は比較的少なく済みますし、寝室以外の部屋で就寝するという対処法もあります。
このように、仮住まいが不要なことはリフォームにおける1つのメリットです。
元の家の雰囲気を維持できる
リフォームは、工事前の家の雰囲気を引き継ぐことができるというメリットがあります。
リフォームは、古くなった部分を新築の状態に戻す工事のことなので、見た目や機能が大幅に変わることはありません。リノベーションや建て替えを行うと、見た目や機能がまるごと変わるので、別の家のようになってしまいます。
そのため、工事前の家に思い入れがある人は、特にメリットだと感じるはずです。
リフォームの2つのデメリット
リフォームにはメリットがある一方、以下のようにデメリットもあります。
- 自由さに欠ける
- 劣化がひどいと費用が多く必要になる自由さに欠ける
リフォームは、工事の自由さに欠けるので、物足りないと感じる人もいるかもしれません。
理由としては、次のとおりです。
- 間取りやデザインの大幅な変更が難しい
- 骨組みの工事ができない
- 地盤の改良ができない
例えば、和室が古くなったことをきっかけに洋室へ変更しようとした際、その工事はリフォームではなくリノベーションに該当します。リフォーム業者はリノベーションの工事に対応していないことも少なくありません。
また、耐震性能を上げようとして地盤の改良を依頼しても、リフォーム工事の範疇では対応不可能です。地盤を改良するためには、専門の業者に依頼して、建て替え工事と並行して行わなければいけません。
このように、リフォームは工事の自由さに欠けることがデメリットだと言えます。
劣化がひどいと費用が多く必要になる
リフォームする部分の劣化がひどいと、その分多くの費用が必要になります。
リフォームは、家の一部の工事を比較的早く、安く行うことがメリットです。しかし、複数箇所やひどい劣化を工事するとなると、そのメリットを無駄にしてしまいます。
例えば、築年数が60年や70年経っているような建物をリフォームする場合、土台や梁といった基礎的な部分も劣化している可能性が高いです。そうなると、リフォーム工事の範疇では対応できないことが多いので、追加料金を払ったり別の業者に依頼したりしないといけません。
なかには、土台や梁は無視して表面的な部分だけをリフォームしたら良い、という意見を持つ人もいます。しかし、表面上だけをリフォームしても基礎的な部分が劣化していれば、家としての耐久度はさほど変わりません。
したがって、劣化がひどい場合は費用が多く必要なことも、リフォームのデメリットと言えます。
リフォームとリノベーションの違い
リフォームとリノベーションの違いは以下のとおりです。
リフォーム | 古くなった一部の設備や部屋を新築同様に戻す工事 |
リノベーション | 新しい機能や設備を既存の建物に新たに付け加える工事 |
例えば、築年数が経って剥がれてきたフローリングを張り替え、新築の頃の状態にまで戻す工事がリフォームです。一方、フローリングに新たに床暖房を取り付けたり、断熱材を入れたりすることをリノベーションと呼びます。
工事の規模はリノベーションの方が大きい傾向にありますが、工事の自由度で比べるとリノベーションの方が高いです。
なお、リノベーションが向いている人の特長は以下のとおりです。
- 現在の家に長く住もうと思っている人
- 新築同等の家をお得に手に入れたい人
- 既存の家を自分使用に変更したい人
反対に、中古物件に抵抗がある人や新しい設備や機能に特にこだわりがない人は、リノベーションは向いていないと言えます。
リフォームと建て替えの違い
リフォームと建て替えの違いは以下のとおりです。
リフォーム | 家の一部が工事の対象 |
建て替え | 基礎部分から全てが工事の対象 |
例えば、風呂場だけや外壁だけといった、家の一部だけを工事の対象とするのがリフォームです。一方、家を基礎部分から壊して、再築するのが建て替えになります。
建て替えもリノベーションと同様に費用が高くなることが多く、目安としては50坪で4400万円程度です。工事費用に加えて、解体費や仮住まいに関する費用などが必要になるので、リフォームよりも高い費用を要します。
なお、建て替えが向いている人の特徴は以下のとおりです。
- 家の基礎部分に不安がある人
- 長い期間住める家が欲しい人
- 高い費用を払える人
反対に、長い工事期間に抵抗がある人やすぐに引っ越す可能性がある人には向いていないと言えます。
まとめ
リフォームは、古くなった家の一部を新築の状態に戻す工事を指します。新しい機能や設備を付け加えるリノベーションや、家の基礎部分から再築する建て替えとはことなるので注意が必要です。
リフォームのメリットとしては、費用が比較的安くなることや仮住まいが費用なことが挙げられます。とはいえ、工事の自由度に欠けたり、劣化がひどい場合は却って費用がかさんだりというデメリットもあります。
お住まいの状況や予算などを考慮して、工事の方法を選ぶようにしてください。